2020.08.25
本日、第17回のゼミがオンライン上で行われました。
【学びをデザインするヒント】
今回の三井先生のお話ではキャロルの学校学習モデルについて紹介していただきました。このモデルは、「学習に必要な時間と費やされた時間」から個人差を理解するためのモデルです。ならびに、必要な時間をかけることで誰でも学ぶことができる、完全習得学習の基盤となります。
例えば、同じ時間を与えられた授業では、子どもたちの授業に対する理解の差で、テストの点数に差が生じてしまうことは当然です。その中で“落ちこぼれ”や”吹きこぼれ”と分類される子どもたちの学習率を高めるには、どうしたら良いのかが本日の課題でした。
「学習率について」
学習に費やされた時間 学習機会×学習持続力
学習率 = ーーーーーーーーーー = ーーーーーーーーーーーーーーーー
学習に必要な時間 課題への適正×授業の質×授業理解力
学習率を要因ごと分類すると、「課題への適正・授業の質・学習機会」と授業者が工夫できる点が多くあります。特に授業を行う上で個人差の支援は欠かせません。これらの観点を組み込んで、授業や児童一人ひとりの学習支援について考えられるようにしていきたいです。
【4年生のミニレッスン】
今回は“査読論文”について教えて頂きました。査読とは、学会誌に掲載する論文の質を一定以上に保つために、学術的に価値があるのか同じ研究分野の研究者に内容を批評していただくことです。また,査読論文の仕組みや投稿条件などを説明していただきました。
「”論文”と”原稿”違いについて」
論文…査読による内容の批評があり、審査に通ることが難しい(信頼度︰高い)
原稿…基本的に査読がなく、誰でも提出ができるもの(信頼度︰査読がないため比較的に低い)
資料1つ1つで信用度や質が異なります。そのため引用する際には、査読の有無や論文と原稿を区別して捉える必要性があります。今後研究を進めていく中で、多くの資料に触れることが多くなると考えられます。そのため、得た資料が信頼できるものなのかという視点で資料を探していきたいと思います。
【学びを続けること】
三井先生から「大村はま(1996)新編教えるということ.ちくま学芸文庫,東京p.27」についてご紹介がありました。大村はまは、先生として活動しつつ、生涯に渡り国語科研究を続けた伝説の先生です。
継続して研究や勉強を進めることは、どの時代の教師としても必要な資質です。毎日の研究を継続することにより、これからの研究の基盤となる見方や考え方を養うことに繋がります。先生・先輩方の研究との向き合い方を見習い、日々の学びを発信していきたいです。
(野末)