2021.09.22
本日,第61回三井ゼミが行われました。
【子供の貧困について】
三井先生から子供の貧困についてお話がありました。貧困には絶対的貧困と相対的貧困があります。特に相対的貧困は住居や衣服の状況などの外見から気づきにくく,現在子供の6人に1人の割合で存在しています。1クラス30人として考えると,少なくとも5人は存在しているという計算になります。私自身その割合の高さに驚きました。
子供は家庭環境を選ぶことはできない上に,子供の力では家庭環境を変えることも難しいです。教師は直接的な支援を行うことはできませんが,長い目で見た際に子供たちにとって生きていく上で役立つ力を身に付けられるように支援することはできます。また,子供たちが家庭環境に関係なく将来自立した生活を営めるように教師ができることの一つとして,ICT機器の活用があると教えていただきました。これまで端末を持つ子供と持っていない子供の間に情報活用能力の差が生まれていました。現在では,1人1台端末が普及したことから子供間のICT活用機会を均等にすることができるようになり,端末を活用することで子供の創造力を育成することができます。様々な家庭環境の子供のために教師は何ができるのか考えていきます。
【インストラクショナル・デザインについて】
三井先生の講義からインストラクショナル・デザイン(ID)についてお話していただきました。お話を通して,IDの視点から見た学習目標は,概念的な目標ではなく,外から観察可能な行動として示すべきであると学びました。例えば,前者は「考える・理解する・知る・気付く」であり,後者は「~することができる」といったものです。学習目標を確認した時に自己評価できる形であるべきだと考えました。
【理想の教師像について発表】
今回の発表のテーマは「理想の教師像」でした。自身が教師を目指すきっかけとなった恩師の姿から考えるゼミ生や,自分が教師になった時に言われたい言葉から考えるゼミ生がおり,大変興味深い内容でした。全体の発表を通して「信頼」や「コミュニケーション」という言葉が共通して使われていました。教師は子供や保護者,地域の方々,同僚などの信頼関係の上に成り立つ職業であり,その信頼関係を築くためにコミュニケーション能力が必要になります。それぞれが発表した理想の教師になるために何を学ぶべきかゼミの活動等を通して考えていきます。
(小林)