2024.1.10 第20回院生ゼミ
新年あけましておめでとうございます。本日は2024年初めての院生ゼミが行われました。三井先生からショートレターに向け,論の構成や調査対象者と分析の手法に関する選定理由の記述の仕方などご指導いただきました。
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【原稿の執筆の仕方】
本日は,ショートレターの提出に向けて定義の重要性と論の構成,対象者や対象とした単元の選定理由に関する記述の仕方に関してご指導いただきました。
定義と論の構成に関しては,定義として何を示すのか,そして原稿のどこに記すのかを考える必要があります。それは読者が誤読しないようにする必要があるためです。私はフィードバックの研究を行っています。フィードバックは学校現場でもよく使われる用語であり,幅広い意味をもつ言葉でもあります。例えば,土屋(2023)では「目標までの隔たりを埋めるために学習者の学習が向上するよう,思考や行動を修正することを意図し,伝えられる情報」として定義づけ研究を進めていますが,石原・泰山(2020) では,先行研究の指摘と自身の実践の内容と関連づけ「結果の送り返しをフィードバックと定義」しております。以上のことから,本研究におけるフィードバックの定義を明確に定めるために先行研究を拝読すること,そして自身の実践内で学習者に与えられた情報から整合性を担保できるようにする必要があります。そして「はじめに」の最後に定義を記すことで,読者が読みやすくなるようにしたいと思います。
続いて対象者や対象とした単元の選定理由に関してです。調査対象者や対象とした単元に関しては,なぜそれらを選定したのかを明記する必要が有ります。明記しない場合,恣意的に調査したのではないかといったバイアスが生じ,結果を懐疑的に捉えられてしまいます。だからこそ,綿密な計画が必要になるのだと感じました。調査対象者の選定や単元の選定に関しては,先行研究での記し方がとても参考になります。内容だけでなく,書き方も参考に論文を拝読することで著者の多くの工夫が見えてきます。ショートレターの提出に向けて,今後も精進してまいります。
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本日のゼミでもご指導いただきありがとうございました。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
(木野)
〇参考文献
土屋麻衣子(2023)自己調整学習と形成的フィードバック-ディモチベーション払拭を目指して-.株式会社金星堂,東京
石原浩一,泰山裕(2020)フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求に及ぼす影響の検討.日本教育工学会論文誌,44(1):105-113