第21回院生ゼミ

2024.01.17第21回院生ゼミ

本日は第21回院生ゼミが行われました。三井先生から,自己調整の発達段階についてお話いただき,その後各自研究の進捗を報告し,ご指導いただきました。

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【自己調整の発達段階について】

本日お話いただいた自己調整の発達段階とは,学習者視点の理論であり,段階を経て自己調整能力を獲得し,学習者自らが学びを調整していくことを示しています。段階は,「観察レベル」,「模倣レベル」,「自己統制レベル」,「自己調整レベル」の4つであり,教師やクラスメイトから学び方を学び,自走できるようになるためのプロセスとも捉えることができます。

教師は個別最適な学びを充実させることが求められていますが,教師による学習者一人一人への学習方法の提示には限界があります。故に,学習者自身が自己調整能力を高め,複数の学び方から課題に適した学び方を選んで学習を進めるというあり方が理想的であると思いました。そのための教師の役割は,学習者の自己調整能力を養うことと,複数の学び方を提示することであると言えます。

自己調整能力を養う過程では,特に「模倣レベル」の段階での教師による学び方についてのフィードバックが重要になるのではないかと考えました。学習者一人一人には発達段階に個人差があり,誰かの学び方を模倣することは非常に困難です。そこで,個に応じた学び方のフィードバックを与えることで,「次はこの方法でやってみよう」という意識につながり,修正を繰り返しながら自身に合った学び方に気づくことが期待できます。今回教えていただいた段階を教師の知識として留めるのではなく,学習者に提示し,自分に合った学び方について考える習慣を身につけさせられる授業を行っていきたいです。

【教育実践フォーラムに向けて】

本日は,分析した質的データの示し方や表現の仕方などについてご指導いただきました。

質的データの示し方について,ただ引用するのではなく,傾向を分析することが大切だということを学びました。抽出した記述データを再度よく見直し,分類することで,傾向について数値を用いて示せるようにしたいと思います。

また,論文執筆の際に言葉の選択を慎重に行うことが重要であるということを学びました。一事例としての研究である場合,一般論とならない表現を選ぶ必要があります。書き方の癖などは一人では気づきにくいため,院生同士で確認し合いながら今後執筆に取り組んでいきたいと思います。

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教職大学院は理論と実践の往還の場と言われています。ここで学んだ理論をどのように実践するのかを考え,今後も学びを深めていきたいと思います。

本日のゼミもありがとうございました。

今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。

(青山)