2024.05.01 第25回院生ゼミ
本日は第25回院生ゼミが行われました。三井先生からメディアの機能に関してご指導いただき,ゼミ生は三井先生から先週いただいたご指導をもとに研究を進展させ,生じた悩みを報告しました。
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【メディア機能について】
メディア機能には3つの次元が存在します。まず,第一次メディア機能は,展示物だけではなくサインや空間などが,言語的意味を解さないで観覧者に直接に影響などを与える働きを指します。例えば,部屋に観葉植物のようなものを置くことによって,観覧者は部屋のイメージとして緑や何か和らぐ雰囲気を感じることが想定されます。そのような,言語的な意味を介してではなく,情報や雰囲気を与える特徴があります。次に,二次メディア機能は,展示物を言語的に解釈させることで働く機能を指します。例えば,図画・工作において作成した作品に対し,作品カードをつけることによって,作品を言語的に解釈できるようになる機能が該当します。そのような,一つのメディアに対し,言語的なメディアを付加することは,言語的に解釈することに依存してしまいますが,より精密・論理的な説明をする場合に適しているのが特徴的です。第三次メディア機能は,二次メディア機能の意味解釈に大枠に影響を与える,あるいは方向づける社会システム,学問や法律や習慣などの働きを指します。例えば,一つの絵でも学校で掲示しているのか,家で掲示しているのかといった文脈が異なることで様々な解釈ができるようになります。そのような,一次メディア機能と二次メディア機能の背後で,全体として展示に文脈を与える特徴があります。
以上のメデイア機能を知っていくことは今後の教育活動において重要になります。学級掲示物を作成する際に,メディア機能を知っておくことで色の工夫や吹き出しの工夫などが生まれるようになります。また,子供達にメディア機能を伝えていくことで,メディアを批判的に解釈することにつながることも考えられます。日常生活は多くのメディアで溢れています。メディアから生じた思考を子供達がメタ認知できるよう,メディア機能について知り,子供達に伝えていきたいと思います。
【研究相談】
三井先生から先行研究の示し方や分析したデータから示せることを明確にすることが重要だとご指導いただきました。例えば,学術誌で掲載されていない情報を自身の研究の理論的背景として引用することは危険であることが考えられます。そのため,自身の研究で引用する際には,理論的背景ではなく,事実としての引用を行っていく必要があります。先行研究の引用の仕方,示し方一つ一つを意識していきたいと思います。また,データで示せることを明確にしていくことが重要になります。データを示し,結果からわかること以外を示した場合,事実と考察が混同し,不明瞭な文章となります。今一度得られたデータを見つめ直し,事実と考察を区別し,論の構成を考えていきたいと思います。
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本日もありがとうございました。
季節の変わり目で体調を崩しやすい時期なので,体調管理に留意し,日々精進してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
(木野)