2024.06.12 第28回院生ゼミ
本日は第28回院生ゼミが行われました。三井先生から小学校での校内研修の様子について共有していただき,ゼミ生は学会発表に向けて,原稿の執筆並びに現時点で収集できたデータに対する分析の結果を報告いたしました。
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【一人一人の子供を主語にする】
三井先生から先日の研修の様子を共有していただきました。研修校では,生徒指導を授業に内在化させ,居心地の良い学級を作ることを学校目標としていました。そこで一昨年に改訂された生徒指導提要や現在の学校現場に求められている実践などから助言をなさっていました。
現在,生徒指導の目的を達成するために,児童一人一人が自己指導能力を身につけることが重要とされています。そして,自己指導能力の獲得を支える生徒指導では,4つの観点での実践上の注意点が挙げられています。4つの観点は,「自己存在感の感受」「共感的な人間関係の育成」「自己決定の場の提供」「安全・安心な風土の醸成」となっており,4つの観点が意識されなければ授業が円滑に進まないことが挙げられます。理由として,困った時や悩みが生じた時に,助けを求めることができなかったり,そもそも他者への関心が生まれず,子供同士の助け合いなども生まれない可能性が考えられたりするからです。
そして,この4つの観点を意識して指導し,当たり前の基盤とすることは,現在求められている「一人一人の子供を主語にした実践」に繋がります。学校現場では挙手をし,意見を発表する形態が多くあります。その際,相手の目を見て話をきく姿はとても重要かもしれませんが,手を挙げた子供のみが発表になっていることの課題を考えていくことが重要になります。そして4つの観点がベースにあれば子供達が自ら意見を表明し,お互いに吟味する姿が見られるはずです。学校の時間の多くは授業にあります。だからこそ,子供達一人一人を主語にするといった授業観と生徒指導を結びつけて日々の実践を考えていきたいと思います。
【研究相談・進捗】
JSET秋季全国大会の原稿とJAET@港区での発表に向けて各自相談を行いました。表の示し方や本文中での説明の仕方,一つ一つの文言を精査することで読者に不快感を与えず,初読で理解できるような文章を目指していきたいと思います。そして初めて学会発表を目指すゼミ生は今後原稿の執筆に取り組んでいきます。研究の目的を明確にし,データの分析や結果の間でずれが生じていないかを考えていき,ゼミ生同士,一つ一つの得られたデータを厳しく捉えていきたいと思います。残された院生生活の中でそれぞれ目標を決め,学会発表を行えるように計画並びに原稿の執筆を進めていきたいと思います。
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本日のゼミもありがとうございました。
大学からは富士山が大きく見えます。急に暑くなり,富士山の雪が多く溶けてしまいました。
良い研究は健康的な生活の上,成り立つ可能性が高いです。
日々の食事,睡眠時刻など意識していきます。
次回も引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
(木野)