第30回院生ゼミ

2024.07.17 第30回院生ゼミ

本日は第30回院生ゼミが行われました。三井先生から校内研修で使用している図を紹介していただき「学習者に不必要に教えていないか」という問いをもとに話し合いました。ゼミ生はJAETでの発表に向け,研究の方法や執筆内容に関して相談しました。

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【不必要に教えていないか】

現在,個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実が学校現場に求められています。そして,そのような学びの中で子供たちは自身の学びを調整していくことが必要となります。しかし,学校現場では子供が自走したり,調整したりする授業ではなく,教師が指導する一斉型の授業が散見されます。その理由として,本当に子供に任せて学べるのかというマインドが子供に委ねることを阻んでしまうからです。そのようなマインドでは,子供が学習の見通しを持ち,自分の力で学べるのに,一方的に知識を伝達したり,他の児童と同じ進度で学ばせたりしてしまいます。

そこで,私たちは子供が自ら学べる状態であるのに不必要に教えていないのかを考えていくことが必要になります。また,子供が見通しを持ち,自ら学び,目標を達成できたのか,目標を達成できなかったのであれば,どのようにすれば目標を達成できるのかを考え,実行する力を育成していくことが必要になります。そして,このような力は子供が自走し,自身の学びを調整できるような学習を経験することで身につく力だと思います。しかし,「まずは自分の力で学んで困ったら先生や友達に聞いてごらん」といった指導だけでは,学びを委ねているのではなく,放任しているだけとも捉えられます。子供を徹底的に鍛えることや教材研究を通して獲得しなければならない知識を明確にし学習環境を整えること(動画の作成,テキストの用意 など)を行い,子供が自ら学び,自ら調整できるような授業を目指していきたいと思います。

【研究相談・進捗】

JAET@港区での発表に向けて各自相談を行いました。現在,授業を開発しようとしていますが,理論的な基盤を意識し,なぜその授業を設計したのかを明確にしていく必要があります。「この力が求められているから授業を開発して実践しました」だけでは授業開発とはいえません。今までどのような授業開発が行われており,それはどのような方法で実践されてきたのかといった先行研究を踏まえ,自身の研究を捉えていくことが必要です。そのため,今後は自身の設計した授業がどのような理論や知見に基づいているのかを明確にしていきたいと思います。

執筆の際には使用する語句が読み手によって解釈が異なることがなく,同じ認識を持っていただけるようにどのような説明をするのかを考えていきたいと思います。フィードバックや学ぶ意義といった言葉はとても便利な言葉であり,読み手によっては解釈が異なる可能性が高い言葉でもあります。一つ一つの言葉を大切にし,読み手によって言葉の解釈が異なることがないよう,執筆を進めていきます。

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本日のゼミもありがとうございました。
梅雨が明け,夏の到来を強く感じるようになりました。
JAETでの発表の申し込み期日も近づいているため,引き続き精進してまいります。
次回もご指導のほどよろしくお願いいたします。

(木野)