2024.11.20 第36回院生ゼミ記録
本日は,第36回院生ゼミが行われました。三井先生から「論文とは何か」に関するご指導をいただき,ゼミ生は各自,実践研究の様子を報告しました。
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【論文とは何か】
三井先生から,「論文とは何か」と問われました。その際に,ゼミ生は「全員の解釈が一致するもの」や「再現性が担保されたもの」,「一定のルールに基づいて書かれたもの」といった意見を挙げました。阿部(2024)では「ある主張を提示し,その主張が正しいことを論証する文章である」と論文を定義づけています。そこで,今後研究を進め,論文を執筆していくためには,主張を明確にしていくことが重要になると感じました。それはただ量的・質的分析から得たデータを示すだけでは足りません。示した上で,何を伝えることができるのか,本当にその伝えたいことは正しいのかを意識することが必要になります。そのため,結果だけでなく,考察として何が言えるのか自身の研究の結果を深く吟味していくことが重要になります。今後は自身の研究の主張とその主張を本当に論じることができるのかを意識し,研究活動を送っていきたいと思います。
また,自身の研究で主張したいことを明確にするためには先行研究の引用が重要になります。よく「AやBやCといった研究はされているが,Dといった研究はされていない」といった先行研究の引用と示し方があります。このような示し方では,そもそもDという研究が世の中に必要とされていなかった可能性を排除しきれていなかったりやマッチポンプをしてしまったりすることに繋がりかねません。そこでそれらを回避するためには,先行研究と自身の研究を比較することが重要になります。自身の研究と比較したときに,新規性を主張するために異なる部分に目がいきがちですが,どのような共通点があるのかに目を向けることで「先行研究とこの部分は同じだけれどあの部分はまだ主張されていない」と考えることができ,より研究の主張が明確になります。今後は先行研究をただ読むのではなく,自身の研究と比較しながら読み進めていきたいと思います。
【研究相談・進捗から】
ゼミ生から各自実践研究の様子について報告しました。現在実践を行っている最中のゼミ生もいますが,実践を終えた学生もいます。それぞれ査読論文に向けて研究をまとめていく段階になるため,本日三井先生からいただいたご指導をもとに,研究で何が主張できるのかを明確にしていきたいと思います。そして,結果から伝えたいことが本当に伝えられるのかをゼミ生同士で確認していきます。一人では結果の解釈が偏ってしまうことがあるため,本当に伝えたいことが伝えられているのかをお互いに批判していくことでより良い研究につなげていきたいと思います。お互いの研究を知っているからこそ,高め合えるように日々アウトプットを増やしていきます。
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以上になります。今週から急に寒さが厳しくなりました。寒さに負けず,研究活動に励んでいきたいと思います。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
(木野)