2024.12.11 第38回院生ゼミ
本日は,第38回院生ゼミが行われました。三井先生から学習者が自走することを目指した授業において教員はどのように伴走すべきかをお伝えしていただき,ゼミ生は査読論文や学会で発表する結果に関して報告しました。
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【自走できる学習者の育成のために必要な力】
三井先生から学習者が自走することを目指した授業において教員はどのように伴走すべきかをご指導いただきました。主に3つの内容があり,1つ目は,子供の状態を見取る力に関してです。クラスの中には,知識の差や経験の差から自走できる子供とそうでない子供が混在しています。そのため,子供の状態を見取り,それぞれに適した足場かけを行うことが重要になります。最終的には子供達が1人でも学ベるようになることが目標であるため,子供の状態を見取ることで先述した足場かけと足場外しのタイミングを検討できるようになりたいと思います。
2つ目は,自走で必要な力をきちんと教員が理解しておくことに関してです。実際に子供達に学習を委ねた際に,浅い学びに留まり,深い学びに到達しないことがあります。それは自走で必要とされる学び方やテクニックを子供達に指導していないことが理由として考えられます。例えば,教科書には何が示されているのか,なぜそのような構成になっているのか等を学習者が理解しておくことで,情報の収集の質が高まり,整理・分析がより深くなります。また,教員として教材の特性を理解しておくことも重要です。教材研究をし,何を教えなければならないのか,どのような足場が必要となるのか,何を委ねても良いのか等を検討することは,学習者が自走することを目指した授業の設計では必ず必要です。今後の残された大学院での時間を生かし,教材研究だけでなく,自走で重要な学び方を整理していきたいと思います。
3つ目はフィードバックに関してです。自走する授業では,子供達が自身の課題を設定する場面があります。その際に,教科の学びからずれた課題を設定してしまう子供がいる可能性があります。そこで,教員のフィードバックが重要になります。フィードバックをしなければ,本時の時間で子供は学ばなくても良いことを学び,本来学ぶべきことを学ばずに終わってしまう可能性があります。クラウドを活用することで,子供達が何を行っているのか見取りやすくなっているからこそ,即座にフィードバックを与えることができるようになりたいと思います。
【研究相談・進捗】
ゼミ生は査読論文や学会で発表する結果に関して報告しました。量的分析ももちろん重要ですが,質的分析では特に結果の解釈における客観性と,分析の妥当性が問われます。1つのカテゴリの名前やカテゴリの粒度を意識しなければ質的データを示した際に疑問視されてしまいます。そのため,ゼミ生同士でカテゴリ名やその粒度等を議論し,より良いデータを示すことができるようにしていきます。
また,原稿や論文においてタイトルは本文の究極の要約になります。だからこそ,タイトルで伝えたい内容と本文で伝えたい内容に大きな齟齬が生じていないかを検討していく必要があります。1人では気づけない箇所も多くの方々から目を通してもらい,コメントしてもらうことで様々な気づきに出会えます。それはアウトプットすることが前提にあるので,日々発信を忘れずに行っていきたいと思います。
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本日のゼミもありがとうございました。
急激に寒くなりました。
院生ゼミも年内,残すところ1回となりました。
より良い新年を迎えることができるように精進してまいります。
次回もご指導のほどよろしくお願いいたします。
(木野)