第39回院生ゼミ

2024.12.18 第39回院生ゼミ

本日は,第39回院生ゼミが行われました。三井先生から「これからの学校が目指すこと」に関するお話をいただき,ゼミ生は学会発表やショートレターの投稿に向けての進捗報告をしました。

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【これからの学校が目指すこと】

 三井先生から,「これからの学校が目指すこと」に関するお話をいただきました。デジタルを基盤とし「児童生徒の学びのアップデート」,「校務(働き方)のアップデート」,「教師の学びのアップデート」の3つの視点から教育の質をアップデートさせていく必要があります。この3つは,相乗効果がありどれも重要ですが,従来まで「児童生徒の学びのアップデート」に焦点を当てることが多く,「教師の学びのアップデート」に関してはなかなか進んでいなかったのが課題としてあります。教師の学びをアップデートすれば,もちろん児童生徒の学びのアップデートにも繋がります。

 そこで本日は,「教師の学びのアップデート」に焦点を当て,研修に関するお話をしていただき,研修(学び)で意識することについて,カーク・パトリックの4段階評価法を紹介していただきました。カーク・パトリックの4段階評価法は,ピラミッド型になっており,土台の部分から,①反応,②学習,③行動,④業績となっています。これらをスポーツで例えると,まずは,①反応の段階で「そのスポーツは楽しい!」と思うことが重要です。次に,②学習の段階では,そのスポーツの基礎や勝ち方を学びます。そして,③行動の段階では,スキルアップのために,自分ができるようになったことや課題などを自己分析し振り返りを行いながら,その成果を実際に行動に移すことが重要です。最後の④業績の段階では,試合に勝つことが目指されます。この段階に至るまでの過程が非常に重要だと思いました。

 例えば,アンケート調査を行う場合,測定したいことを測ることができているのか,相応の質問項目になっているか等を確認する必要があります。その際,質問項目が①反応の部分のみになってしまうと,それ以上のことはわかりません。「楽しい!」,「やってみたい!」などと思わせることももちろん重要ですが,学びがない授業をしても意味がありません。そういったことを考慮しつつ,新たな改善が行えるよう,質問項目は,カーク・パトリックの4段階評価法を意識して慎重に作成していきたいです。

【研究相談・進捗から】

今回も前回に引き続き,三井先生からいただいたご指導をもとに分析や原稿の執筆を進展させ,それぞれ生じた悩みを報告しました。原稿を執筆する上で大事なことの一つとして,主観を少なくし,客観性を持たせるために先行研究を引用することがあげられます。その際,「参考」,「援用」,「引用」の区別をしっかりとし,適切な言葉を使えるようにしていきたいです。

そして,原稿のタイトルやあらまし,文章の構成を考える際に,主従関係を意識することが重要だと三井先生からお話いただきました。自分の研究の主張は何か,「主」と「従」はどの部分なのかを整理した上で,原稿を書くようにしていきます。

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本日のゼミもありがとうございました。

今年のゼミは本日が最後でした。一年を振り返り,自分のなりたい姿に少しでも近づくことができたのか,自己分析してみましょう。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

(山内)