2025.1.10 第40回院生ゼミ
本日は,2025年初めての院生ゼミでした。ゼミでは「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方」について,昨年12月25日に行われた中央教育審議会諮問の資料を基に考え,ゼミ生は学会発表や査読論文に向け各自三井先生からご指導をいただきました。
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【諮問から】
本日は昨年の12月25日に行われた中央教育審議会諮問の内容についてご指導をいただきました。諮問とは,文部科学大臣が中央教育審議会に対して,具体的な政策課題や教育行政に関するテーマについて意見を求めることを指します。今回は,次期学習指導要領の改訂に向けた重要なものとなっています。諮問の中では顕在化している課題として「①主体的に学びに向かうことができていない子供の存在」「②学習指導要領の理念や趣旨の浸透は道半ば」「③デジタル学習基盤の効果的な活用」が挙げられています。それぞれの課題が重要ですが,特に①と②の課題について考えました。
①については,学ぶ意義を児童にどのように持たせるかが重要になります。これは,ゼミ生が研究で行っているようなARCS動機づけモデルなどで対応ができるかもしれません。また,教科における学ぶ意義を実感させるためには教材研究が重要になります。この教科を学ぶことによってどのような姿があるのかを教員自身が明確にし,学習者に伝えていくことを行っていきたいと思います。
②については知識というものを改めて考えていく必要があります。知識というものを点で捉えるのではなく,点と点が関連づけられ,構造化されたものであると捉えていく必要があります。そして,これらの知識に関しては,教員が伝えたり,教えたりするだけでは獲得は難しいです。だからこそ,どのように知識を構成させ,獲得させるかを考えた上で,学び方を含む指導が重要になります。何を指導し,何を獲得させるか,そして獲得させるための学び方をどのように指導するかも今後考えていきます。
諮問をもとにこれから答申が行われ,学習指導要領が改訂されます。このような中央教育審議会や文部科学省で行われ,発信される情報は自身の教育が今後の学習者のためになっているかを判断する基準にもなります。テクノロジーの発展や社会の変化とともに求められる教育が変わってくるため,このような情報を自ら積極的に学んでいきたいと思います。
【研究相談・進捗】
ゼミ生は春季全国大会,査読論文に向け,三井先生にご指導をいただきました。原稿執筆の際には,改めて前提の部分を意識しなければならないということを感じました。例えば,1つの数値,1つの結果でもその前提は調査や分析を行った者からすれば解釈できますが,紙面上では理解はできません。本当に伝えたいことを伝えることができているのかを改めて考えていきたいと思います。また,査読論文では二重投稿のような重大な違反にかからないよう,示したい内容の棲み分けが必要になります。例えば,学会や教職大学院での報告書で示した内容と全く同じものは査読論文に使用することはできません。だからこそ,事前に査読論文では何を示すのかを明確にしていきたいと思います。
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本日のゼミもありがとうございました。
インフルエンザ,コロナウイルス,マイコプラズマ肺炎などが流行しています。
手洗いうがい,研究活動,アルコール消毒を欠かさずに行っていきます。
次回のゼミでもご指導のほどよろしくお願いいたします。
(木野)