教職科目「教育の方法と技術」では,授業における学校放送番組の活用を扱いました。
小学校学習指導要領(総則)には,以下の記述があります。
情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
学習指導要領においても,視聴覚教材の適切な活用が求められていることがわかります。学校現場でよく使われる視聴覚教材は,「NHK for School」です。そこで,今回の授業でもNHK for Schoolにあるコンテンツを取り上げることにしました。
まず,「放送でなければ与えられない学習効果」が何なのか,について議論しました。ここでは,直接体験との二項対立的な比較で捉えるのではなく,それぞれの良さを融合させていくことが重要であることを伝えました。
続いて,学校放送番組の構成は,大きく3つに分けられることを確認しました。(NHK for School 2018 番組&WEBガイドより)
●モデル提示型
模範となるモデルが提示されて,児童生徒に「やってみよう」と思わせる。
●揺さぶり型
自分の考えや思いが揺れていくのが自覚できる。
●知識定着型
授業のまとめ等に活用しやすく,学習内容を定着させる。
その後,学校現場で視聴されることが特に多い,理科と社会の番組を実際に視聴して,番組内容を分析しました。
今回,学生に伝えたかった内容は,以下のものです。
1 教科の特性に合わせて番組が作られている。また,学ぶ内容によって演出を分けている。
2 学校放送番組を使うときは,どういう状況で,どういう番組を使えばよいかを授業者がよく吟味する。
3 既存の番組を使って,授業をデザインすることで,より魅力的な授業をつくることが可能となる。