第18回院生ゼミ

2023.12.13  第18回院生ゼミ

本日は第18回の院生ゼミが行われました。三井先生からは学習者が自走する授業の流れを提示していただき,ゼミ生は研究の分析に関してご指導いただきました。

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【学習者が自走する授業の流れ】

学習者が自走する授業の流れに関して,三井先生とゼミ生で話し合いました。自走するというのは,教師の伴走がなくても学習ができる状態のことを指します。そのような学習者が自走する授業での教師の役割は,一斉型の授業とは大きく異なります。例えば,一斉型の授業での教師の役割としては,何をどのように教えるのか考え,授業を実践し,適宜学習者の様子を確認し,指示を与えること等が挙げられると思います。それに対し,学習者が自走する授業では,授業の導入で課題を提示する際に動機づけたり,方向づけたりすること,授業の流れを示すこと,途中で自走可能でなくなった場合に伴走すること,学習者一人一人の進度や理解の浅深の程度が異なることから,それぞれに適したフィードバックを与えていくこと等が挙げられます。課題の提示に関しては,一斉型の授業と学習者が自走することを目指す授業で同じく行われます。しかし,学習者が自走することを目指す授業では,提示する課題が挑戦するだけの価値があるのか,なぜ学ぶ必要があるのかといった学習者の内発的動機づけにつながるよう,課題を設定することが必要になります。

現在求められている学習と私たちが小学生,中学生の際に受けてきた学習の間では,同じ学習活動でも本質が異なることがあります。だからこそ,現在育成すべき資質・能力を理解し,どのように授業を設計していけばいいのかを考えていきたいと思います。

【分析に関して】

本日は,実践研究を終え,分析に関してゼミ生が各自相談しました。重回帰分析の解釈の仕方や定数が何を表しているのかを理解し,実際のデータと分析の手法を紐付けていくことが必要です。また,平均値の差の検定を行う際に,データは対応しているのか,対応していない時にノンパラメトリック手法を選んでいくこと等,データにあった分析の手法を選択する必要があります。そして,質的な分析に関しては,いかに再現性を確保するかが重要になります。恣意的にデータを抽出する場合には,なぜそのデータを抽出したのかを説明しなければなりません。

自身の収集したデータや研究の目的と近しい先行研究がある場合には,先行研究を参考にし,分析を進めていくことは効果的な分析の仕方なのかもしれません。だからこそ日頃から先行研究を拝読し,自身の研究と比較するといった研鑽が必要になるのだと思います。ゼミ生各自が論文を拝読し,何か共通している箇所を見つけた際には共有し,お互いに助け合っていきたいと思います。

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来週で2023年最後のゼミとなります。最後のゼミに向け,研究に励み,2023年を心地よく締めくくることができるよう,日々精進していきます。

本日のゼミでもご指導いただきありがとうございました。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

(木野)