第23回院生ゼミ

2024.04.17 第23回院生ゼミ

本日は,2024年度初めての院生ゼミでした。三井先生からSAMRモデルに関してお話しいただき,ゼミ生は昨年度の研究の進捗,本年度の研究計画に関してご指導いただきました。

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【ICT機器の活用から転換】

Google Workspace for Educationのクラウドツールである,Jamboardの使用が2024年10月1日より段階的に終了していきます。そして,ホワイトボードアプリであるJamboardからFigJamへと移行していきます。そのため,使い慣れたアプリであるJamboardの活用ができなくなり,FigJamの新たな機能や使用感の変化から学校現場では大きな混乱が生じることが推察できます。そこで,三井先生からSAMRモデルに関してご指導いただきました。SAMRモデルとは,テクノロジーを授業等で活用する場合に,そのテクノロジーが従来の教授方略や学習方略にどのような影響を与えるかを示す尺度であり,代替(S),拡大(A),変形(M),再定義(R)の頭文字から構成されています。例えば,Jamboardを活用していたようにFigJamを活用することは代替の段階となり,代替の段階から新たな機能を活用することで学びが変化することが拡大の段階となります。そして,FigJamの付箋に対してコメントすることができる等といった新たな機能を活用し,従来の授業中に対面で話し合っていた時間を非同期での対応にし,新たに生じた時間を子供達が情報の分析やまとめの時間に費やすことが可能になります。また,いただいたコメントをもとに,付箋の情報量や位置は適切なのかといった相手を意識し表現を工夫する児童の姿が生まれることが考えられます。以上のように,授業デザインに変化が生じる段階や新しい授業を可能にする実践の段階をそれぞれ変形,再定義の段階となります。

テクノロジーは日々進化しています。そのため,新たなテクノロジーをまずは活用していき,授業設計を変化させたり,育みたい資質・能力を意識したりすることが重要になります。そして,日々の授業の中で何をしたいのか,なぜその活動が必要になるのかを考えていくことで,テクノロジーとの結び付けを行なっていきたいと思います。

【研究相談・進捗】

ゼミ生が2名となり,それぞれ研究の進捗,研究計画に関して相談しました。研究の進捗としては,結果を一面的に捉えず,多面的に捉えていくことが重要だと感じました。例えば,振り返りを書かない児童がいた場合,振り返りを書けないのか,書けるのに書こうとしていないのかといった場合があります。結果の解釈を一人で行うと一面的に捉えやすく,危険な状態に陥ります。そのため,自身の結果の解釈を伝え,他者からフィードバックをもらうことを習慣づけていきたいと思います。研究計画に関しては,何を明らかにしたいかを明確にすることが重要だと感じました。また,明らかにしたいことが大きかったり,複数の要因が含まれていたりする場合,先行研究の精査,研究の方法を明らかにすることが難しくなります。そのため,まず何を調査し,分析するのか,その分析の結果から次に何を調査し,分析するのかといった研究を細かく捉えていくことから始めていきたいと思います。

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年度が変わり,私たちの大学院の生活も残り1年となりました。

大学院最後の研究になるので,自身の研究と親身に向き合っていきたいと思います。

本日のゼミでもご指導いただきありがとうございました。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

(木野)