第24回院生ゼミ

2024.04.24 第24回院生ゼミ

本日は第24回の院生ゼミが行われました。今回,「教える」ということについて改めて考え直すことができ,新たな視点を獲得することができました。

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【教えて考えさせる授業】

本日は,「教えて考えさせる授業」に関してご指導いただきました。最近,個別最適な学びが目指され,学習者主体の授業が推奨されています。学習者主体の授業では,「教えない授業をすればいいのだ」と認識をする人もいると思います。しかし,学習者主体の授業だからこそ教えるべきことは教え,教えることで学習者の学びのレパートリーを拡げることができるような介入が必要になってきています。

そこで今回,三井先生から市川(2020)が提唱したモデルを紹介していただきました。「教えて考えさせる授業」を行うために,知識を定着させるための習得のサイクルとそれらを活用するための探究のサイクルを併用したものがモデルです。習得のサイクルのみに留まってしまわず,新しい知見を得るために探究のサイクルを回す必要があります。自分が学習者主体の授業を目指す際にも,教えないことが独り歩きしていないかを常に見直し,必要なことは教えた上で,さらに高い段階で探究のサイクルを回せるような授業を設計していきたいです。

さらに,学習者主体の学びを加速するために,「教える」という行為があり,そのために2つのサイクルを必要に応じて行き来することが重要になってきます。しかし,単元によっては,習得のサイクルだけで終わることもあります。2つのサイクルの回り方はそれぞれの単元や時期に応じて異なり,細かく繰り返されることもあります。そのため,教師が意図を持って授業を設計していくことが重要になります。

また,このモデルは,学習方法のみに限らず,学習内容にも応用し新たな視点を与えていくことが教師として重要になってきます。今後,学習者主体の学びをベースにしつつも何を目指したいのかを明確にし,教師として適切な介入を今回のモデルを参考にしながら行っていきたいと思います。

【研究の進捗報告・相談】

今回も各自の研究の進捗報告を行いました。三井先生からは,主に研究の方針と分析の方法についてそれぞれご指導いただきました。例えば,2つの理論を研究に用いる際,自身の研究がどのような方向性なのかをはっきりさせ,研究の軸がぶれないようにしていく必要があります。また,自身の立てた仮説を先行研究をもとに説明できるよう,どのような研究が今までなされているのかを調査していく必要があります。そして,分析に関しては,着眼の仕方が重要になります。得られたデータを全体で捉えるか,個別で捉えるかでも様々な分析ができ,違った結果が得られます。そのため,何を明らかにしたいか,分析することによってどのような結果を得られるのかを考えていきます。

学校現場に出た際に,院生ゼミやそれぞれの研究で得た知見を生かせるよう,今後も良い影響を与えあっていきたいと思います。

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明日は,気温が30度を超えるそうです。体が資本なので,寒暖差に十分気をつけ,毎日の学びを大切にしていきます。

本日のゼミもありがとうございました。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

(山内)

【参考文献】

市川伸一(2020)教えて考えさせる授業を創るアドバンス編ー「主体的・対話的で深い学び」のための授業設計.図書文化社