第19回院生ゼミ

2023.12.20  第19回院生ゼミ

本日は第19回の院生ゼミが行われました。三井先生から認知的従弟制のモデルを提示していただき,ゼミ生は研究の分析に関してご指導いただきました。

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【自立した学習者の育成】

本日は,認知的徒弟制のモデルや学習者の学びを段階的に支援する方法に関するお話をいただきました。認知的徒弟制は,指導者が学びの進め方を示す「モデリング」,学習者の学びを指導者が観察しアドバイスする「コーチング」,学習者が自立できるよう徐々に支援を少なくする「スキャフォールディング」,学習者が考えていることを言葉にするように促す「アーティキュレーション」,他者との比較をさせ,強みや弱みの振り返りを促す「リフレクション」,学習者が独力で新しい問題を解決するよう促す「エクスプローション」の6つの段階があります。

認知的徒弟制は,学習者の自立を促すことを目指して段階を踏むという点が自己調整学習や探究のサイクルと似ているという意見が院生から出ました。また,三井先生から,学習者自身が認知的徒弟制を認知して,自身の学習を調整していくことが重要であるとお話をいただきました。その際,自分の学習状況を把握し,「次の課題は何か」,「自分に足りない部分はこの部分だからそこを重点的に行おう」,などモニタリングやコントロールに繋げることが重要となります。認知徒弟制のモデル通りにステップを踏むことができる学習者もいますが,学習者の自立のため,教員は認知的徒弟制のモデルを元に発達段階に応じたサポートをする必要があります。その際,なんのためにどのような足場を用意するか,そして,その足場をいつ外すかが重要となってきます。足場というのは,外すことを前提としてかけるものです。学習者の進度に応じた適切な判断ができるよう,自分自身の指導をもう一度見直していきます。

【分析に関して】

本日も各自の研究の報告,相談を行い,三井先生から,それぞれの分析や考察の仕方をご指導いただきました。特に,質的分析の際のカテゴライズの仕方について詳しく教えていただきました。カテゴリーは,各自の見方・考え方,注目する視点により主観で作成されたものなので,他の人に確認してもらい,妥当性を担保する必要があります。客観的な視点からの意見をもらいながら,修正し,カテゴリーの粒度が同じになるようにすることが重要です。 

研究授業も終わり,結果が出て分析を試行錯誤することが多くなりますが,視野が狭くならないよう,常にリサーチクスチョンを意識していくことが重要だと思いました。今後も院生同士で研究を共有し合い,さらに各自の研究をブラッシュアップしていきましょう。

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本日が2023年最後のゼミでした。4月から三井先生にご指導いただき,学習したことを振り返ると,様々な視点を獲得することができ,自身の成長を実感しました。2023年も残すところ約10日となりました。良い新年が迎えられるよう,これからも日々精進していきます。

本日のゼミでもご指導いただきありがとうございました。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

(山内)