第17回院生ゼミ

2023.12.06  第17回院生ゼミ

本日は第17回の院生ゼミが行われました。3週間ぶりの開催となり,  これまで各自が取り組んだ成果について発表し,  ご指導いただきました。

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【学習環境と学びの調整】

本日は,  学習の個性化を目指す授業のあり方と,  グループ学習(協働的な学び)で意識したいことについてのお話をしていただきました。

   学校教育では,  十人十色の個性を持った子供がいますが,  教員は基本的に一つの授業あたり一人しかいません。そのため,  子供全員の学びにつながる万能な授業を考えがちですが,  それだけではなく子供それぞれの強みを活かすためにはどうしたら良いか考えることが重要になります。身近なもので例えると,  両利き用のハサミは確かに誰もが使うことができますが,  それは万能な反面,  機能は左利き用,右利き用のハサミには劣ります。また,  子供が学び方を選択する時,  自分はこの学び方が1番合っている,  この学び方は苦手だということを自覚できているかが重要だと思いました。学び方の選択肢を増やすことに加えて,  多様な学び方の中でなぜ今この学びの形を選んでいるのか理由を子供自身で考えることを習慣化させていきたいです。

 また,  グループ学習を行う際にも, グループ学習の効果を高めるために子供に自分たちの協働の姿を自覚化させることが大切だということを学びました。三井先生から,  子供たちの協働の姿が4象限にまとめた図を紹介していただきました。具体的には,  主体性を縦軸,  相互作用を横軸としたとき,  第1象限は「活性化されたグループ」,  第2象限は「バラバラなグループ」,  第3象限は「形だけのグループ」,  第4象限は「安定感のないグループ」と区別されています。グループ学習の効果を高めるために,  子供たちが今自分たちはどのグループに属しているのかということを把握する必要があり, どのようにしたら活発的な協働学習が行えるのかということを子供たちが自ら考え,  調整していくことが大切だと学びました。教員は,  そのための声かけや目指すべき姿を示すことに加えて,  発問の質を高めていくことが求められていると思います。子供たちに目標を示すこと,  より良い発問のために教師自身が学び続けることの大切さが,  子供たちの協働学習の質を高めることにつながっているのだと改めて感じました。

【研究相談】

 本日は,   主に授業の振り返りをする時の留意点とデータの分析方法についてご指導いただきました。研究授業を振り返ったとき,  子供の意見を慎重に解釈するべきだということを学びました。例えば,   「新しい用語を考える活動が難しかった」という子供の振り返りは, 難しかったから機能しなかったのか,  難しかったけれども思考力を育むことにつながったのかを勝手に判断することはできません。他の記述を慎重に分析し,  必要であれば子供に再度具体的に質問することで,  より良い授業にするためにはどうするべきかということを考えていきたいと思います。

 また,  これから分析を行なっていく過程で,  自分の意図と異なる結果が出たとき,  それはなぜかということを明確にしていくことが重要になります。仮説と現実との乖離を起こした原因を究明し,  どう授業のデザインを変えていけば良いのかを考え,  実践するというサイクルを大切にしていきたいです。

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 12月に入り,  今年も残り僅かとなりました。今年を良い一年で締め括れるよう,  研究活動にも力を入れていきたいと思います。

 本日のゼミでもご指導いただきありがとうございました。

(青山)