第19回三井ゼミ

2020.09.09

本日、第19回のゼミが行われました。

今回もこれまでに引き続き、オンラインで行われました。

【先行オーガナイザー】

はじめに、三井先生から学びをデザインするヒントとして、先行オーガナイザーについてお話がありました。先行オーガナイザーとは、学ばせたい知識を整理したり対象づけたりする目的で、当該知識に先行して、提供する枠組み(オーガナイザー:組み立てるを助けるもの)です。

先行オーガナイザーは、2種類あります。新しく教える内容の全体的な要約や概念構造を示す説明オーガナイザーと、学習者がすでに知っている知識や概念を示す比較オーガナイザーです。

自分たちの研究報告でもみんなが自分の研究を全て知っているわけではないので、はじめに全体の流れを示し概要を知ってもらうことが大切であると学びました。

例えば、論文には概要を説明するアブストラクトがあることや仏教を学ぶアメリカ人にキリスト教を想起させることが先行オーガナイザーとなります。

このように、全員が理解できるだろうと憶測だけで先行オーガナイザーを活用しないのではなく、誰もが学習で躓かないように手立てを考えることが必要であると学びました。

先行オーガナイザーは教育だけでなく物事を教える立場の人ならば全員が必要なことであります。教授者から学習者に何を目的に何を行うのかを示して,理解してもらえるようにしていきたいです。

【4年生からのミニレッスン】

今回は、質問紙の作成についてお話がありました。

1.測定内容の明確化

2.項目作成の前に

3.項目作成

4.信頼性・妥当性の検討

の4つの手順について教わりました。

「1.測定内容の明確化」では概念の定義を決めておくことで自分が何を調べるために質問紙を作成するのかを考える。

「2.項目作成の前に」では何冊もの資料から知識を得ることで項目作成で何を気を付けるかを学ぶ。

「3.項目作成」では15~30分かかってしまう100以上の質問項目を半分以下にするために先生方に意見をいただく。

「4.信頼性・妥当性の検討」では決定項目が定義に合致しているかを判定する。

このように、質問紙は一人だけの力で作成することはできず、多くの知識を学び、多くの先生方の協力を得てようやく作成することができます。

毎回のゼミで先輩方が今まで学んできたことをミニレッスンとして自分たちに伝えてくれています。このことに感謝をして、来年自分たちに後輩が出来た時に先輩方から学んだことを伝えていけるように日々勉強していきたいと思います。

今週から後期の授業が始まります。授業が始まっても自分の研究のため日々勉強し続けたいと思います。

(夏目)